こんにちは令和のブラックサラリーマン代表
ロレンツィオです。
昨年度の企業倒産の内訳で人手不足による倒産が前年比25%以上アップしていたそうです。
ネットニュースや経済紙では、たびたび人手不足が話題に上がります。
これは建設業界を含めた人手不足の原因は労働条件が悪いからでしかありません。
労働条件が悪い理由は簡単で
経営者の怠慢、経営能力不足が招いた結果です。
新卒も、中途採用も来るから
人手不足の実感ないわ
お前のところはな
建設業界はひどいらしいけど
なんでなん?
お前のような世間知らずでも
わかるように説明したるわ
そこで今回は建設業界の人手不足の原因や実態を解説していきます。
建設業の人手不足の現状
どの業種が人手不足なのか一番わかりやすいものとして有効求人倍率があります。
全産業の有効求人倍率はやっと1倍を上回る程度になり、建設業界はさらに上待ってきています。
土木だけで見ても約3倍と売り手市場です。
建築躯体関連は7倍以上ですが、東京オリンピック関連や災害復旧と一時的な数字ですので今後はもう少し落ち着きを見せます。
建設業は離職率の多さと若手入職者数の減少、近年は震災などの災害が多く復旧工事の増加が人手不足に拍車をかけているのは、建設業者の人なら肌感覚でも分かりますよね。
単純に思いつく人手の確保といえば、①日雇いアルバイトを募集する。②派遣会社から人を回してもらう。が思いつくとおもいます。
しかし、昔と違い人手が足りない時にアルバイトを雇うわけにはいかないのが、今の建設業界の辛いところです。
なぜなら、公共工事の現場では基本的に現場作業員は派遣労働が認められていませんし、建設業法で社会保険未加入会社の排除が始まっています。
特にゼネコンは安全管理の面でリスクのあることを極力嫌いますから、正社員であっても高齢者は現場に入ることを極力避けるようにしてきます。
公共工事大国の日本では、民間工事だけで営んでいるところはほとんどいませんから、社員の正規雇用と社会保障をしていなければ、仕事ができなくなってきているのが現状です。
人手不足はウソ
定年を迎えた高齢者がどんどん退職して労働人口が減ってきているから当然と思われるかもしれません。
しかし、実際は労働人口はまだまだ足りています。
なぜなら、2018年の非正規雇用者数は男女合わせて2,120万人で、45歳以下の男性は260万人もいるんです。
ですから建設業界を含めた人手不足はウソなんです。
そんなに余っているなら
人手不足じゃないじゃん
求人は出しているが人が来ない=人手不足ではない
正しい人手不足の解釈としては数年前のIT業界みたいに新卒に、500万円~1,000万円だしても人が来ないような状況が本当の人手不足です。
有効求人倍率が高い理由
建設業だけに限らず業界ごとで有効求人倍率が平均より高い原因の1つとして、多くの会社が労働条件の悪さが上げられます。
労働条件が悪い要因としては単純労働でスキルが必要とされない職種や売上の上限が決まっている職種などが上げられます。
しかし、建設業は単純労働作業の業界ではありません。また売上の上限がないにもかかわらず、労働条件が悪い会社が数多くあります。
これにより労働者は労働条件が悪いことを理由に退職する際、同業者のなかで労働条件がいいところがない為、退職者の多くが同業他社ではなく他業種を選択してしまい、建設業界は労働者の減少を止めることができません。
また、ネット社会になり労働条件の比較がしやすくなったこと、会社の内情が透明化してきていることで、労働条件の悪い企業が労働条件を偽って求人をだしても集まらないようになってきています。
ですから、有効求人倍率が高くなっているのです。
今は情報があふれている為、昔のようにだまして低賃金で長時間働かすことができる奴隷がいなくなっただけです。
人手不足じゃくて
奴隷不足ってことね
労働条件だけではわからない悪条件
求人の労働条件ではわからない悪条件があり、経営者はそれが業界の普通と思っていることがあります。極小企業は安く・長く・休まさず・に使うのが経営手腕だと勘違いして会社も多いです。
見える労働条件以外の悪条件もまだまだありますので上げてみます。
退職金がほとんど出ない
退職金制度がクソです。
社員数10以上49人未満の会社で比べてみます。
建設業の退職金制度でブラック企業が加入しているのは中退共か建退共です。
中小企業の高卒の35年以上勤務で平均1,000万円強に対し建設業の退職金制度は500万円と半分です。中退共では掛け金によりますが、建退共と同じ金額を掛けてもそれ以下です。
消耗品の個人負担が半端ない
会社で準備してくれるものはヘルメットと安全帯ぐらいなもので制服すらないところや最初だけ支給してあとは自己負担で購入するなんてザラです。
制服を毎年もらえてる人は幸せですよ。
現場作業員は作業工具など自腹で揃えますし、長靴、手袋、カッパなど自腹で用意する消耗品が多く年間を通すと結構な出費になってます。
会社から現場まで遠くても時間外にならない
これは田舎の建設現場でよくあることですが、朝会社に立ち寄って資器材を積んだ会社車両で現場に向かいます。
会社から現場までどれだけ遠くても作業開始が8時です。
作業時間が8時~17時までで、現場まで遠くてどんなに朝早く出社して帰りが遅くなろうとも、時間外手当てがつかない会社がほとんどです。
スーパーブラック企業やな
自分から奴隷にしてって
来るアホはおらんわな
通勤車両を渡され現場まで直行直帰できる社員は幸せ者です。
建設業は労働条件が低水準+イメージが悪い
どの産業でも人手不足が起こっている最大の原因は労働条件と言われています。
給与や年間休日、社会保障などが低水準なうえにさらなる悪条件が付けば求人をだしても来るはずありませんよね。
もともと建設業界は3K業界と言われてますし、見た目が怖そうとかネガティブなイメージの業界です。
待遇改善するしかないやん
建設業は労働条件を改善するしかない
ここ数年で公共工事の作業員単価は右肩上がりです。災害復旧などで工事件数が多く、さらには高度経済成長期の建設ラッシュで作った物の老朽化対策で工事が増えます。建設業界にとっては追い風が吹いています。
AI化されるのはまだまだ先の話で工事は作業員がいなくては進みません。すべての労働条件が改善することはできません。
通勤時間など実質的に無理なところは金銭で保障するしかないんです。
ベースアップや賞与などが見直されない限りは人が離れていくのは止められないです。
3Kなどが問題ではない
原因の7~8割は経営者が無能なだからです。
求人出しても人が来ないのはあなたの会社に魅力を感じないだけです。
労働環境(3Kなど)が悪いんではなく労働条件(給与、年間休日数など)が悪いんです。
過酷な労働でも人が集まる業種はあります。
消防士やなどは肉体的に非常に過酷な仕事だから休みが多いと思われていますが、実は意外と少ないです。
就業時間のからくりにより拘束されているにもかかわらず、賃金が発生していません。地方公務員でも労働環境が悪いと言えます。
しかし、給与や賞与などは悪くはありません。
もし、消防士などが建設業並みの労働条件でも必要人員を確保できるとは思いません。長時間労働の安月給で人命にかかわる責任の重い職種に誰が行きたがります?
なぜなら、求職者の求めているのは、やりがいではなくて給与の高さや休みの多さです。
若年層は結婚や子育てでお金がかかるんです。
生活するのに見合った給与がなければ、転職時の選択肢にすら入りません。
工場のライン工などで働く人はその仕事に魅力を感じていると思いますか?
労働時間と賃金、賞与、年間休日を他の職業と天秤にかけ、他よりはマシだから工場に努めているわけです。
私の知り合いも建設業では生活できないからと工場に転職した人が何人もいます。
どんなに楽しい仕事でも家庭をもっていて月給10万円で生活できますか?
業界の売上高が右肩あがりの中で景気のせいにはできなくなってきています。
魅力のある会社は楽しそうとかやりがいのある仕事ではありません。周りの会社と比べどれだけ高水準の労働条件を出せるかです。
いかに利益の出せる経営をしてるかで決まってくるのが労働条件です。
労働条件が悪いのは経営者の責任の理由
建設会社の経営者のみなさんすみません!
先に誤っておきます。
もちろん、ちゃんとした労働条件で雇っている企業もたくさんあります。
不景気で仕事がない??単価が安い?元請けからの受注金額が安い?作業員が仕事をしない?人手不足?それって誰の責任ですか?
それは極小企業の経営者の責任です。
不景気で仕事が無い?先ほど書きましたが工事件数は右肩上がりですので、仕事が無いのは営業努力が足りないだけです。
公共工事が少なく仕事がないなら、商店や個人に営業することも必要です。会社の商業圏内にチラシをまいたら確率0.1%ぐらいは見積もり依頼あるんじゃないですか?
チラシなんて1枚10円もしませんよ。
単価や受注金額が安い?発注元からの信用がないから足元みられているんです。
工程を遅らせないで出来形、品質を確保し、臨機応援に対応できる施工能力が、あれば金額交渉も出来るはずです。
会社の施工能力に見合った金額を払える元請け会社を選んでますか?
契約内容以外の仕事をだまして作業させる元請けとは早々に縁を切ったほうが賢明です。会社が完全に疲弊してからでは廃業するしかなくなってしまいますよ。
作業員が仕事をしない?現場で利益の出し方を教えていますか?机上の空論ではなく現場でいままで教えてこなければ、状況に応じて利益を出すことはできません。
「効率よく、段取りよく仕事をしろ」といっても、どこをどうすれば段取りよくなって、どのように利益がでるかを教えなければわからない作業員がほとんどです。
仕事が出来ない社員は教えるか辞めさせるかしないと利益をどんどん減らされてしまいます。
仕事があるのに利益をだせない原因は仕事をしない作業員をクビにしない優しい経営者にあります。
人手不足?労働条件が悪すぎるだけです。
人を募集する際に有資格者や即戦力を求めてはいけません。即戦力を求めれば求めるほど悪循環に陥ってしまいます。
長年にわたり同じような経営方法で利益が出せないなら、早急にビジネスモデルを変える必要があります。
経営のかじ取りと責任はすべて経営者にあります。
ですから原因のほとんどの理由は経営者の能力不足と言えるのです。
今後の建設業界はブラック企業が淘汰される
人手不足の業界の中でもAIなどの導入により人手不足が解消できる会社は残る可能性はあります。しかし、建設業界のほとんどがここ十数年でAI化が出来ない職種ばかりです。
ですから、今後ブラック企業が倒産していき、ホワイト企業かドル箱の発注元をもっている企業だけが残ります。
退職者>入社者
この構図を変えなければ人がいなくなり会社は潰れます。今後AI化が進み無人化施工になったとしても数十年先です。その前に会社は消えてなくなるんです。
今後は労働条件の改善できる優良企業だけが生き残ります。
まとめ
いかがでしたか?
人手不足ではなく経営者の怠慢、能力不足が招いた自業自得の結果です。
建設業界のみなさん必要資格を取ってホワイト企業への転職準備を行いましょう。