そもそも「消防団ってなに?」って人もいると思います。田舎に行けばわかる人もいますが、都会暮らしの人からすると馴染みが薄く消防署と消防団の違いがわからないと思います。
ざっくり説明すると消防団とは普段は本職(サラリーマン、自営業者など)をしていて火災時において消火活動等を行うボランティア団体です。(その他災害時にも対応しますが、ざっくりだとこんな感じです)
田舎に行けばかなりの確率で消防団に誘われますが、消防団が何かよく知らないで勧誘されるがままに入団している人もいると思います。
今回は、社会人一年目から地元消防団に入団して約20年の私が消防団活動を振り返って経験と愚痴を交えてメリット・デメリットを上げていきます。
消防団に入るメリット
人によってはデメリットと思う人もいるかもしれません。
人とのつながり(人脈作りの場)
気の合う仲間や職種の違う仲間ができる。
知らない田舎に引っ越したりして顔を合わせて話せる知人がいない人には、住んでいるところの習慣などの相談や、新しい仲間づくりをするうえで一番手っ取り早い方法ではないでしょうか。
子供がいれば、保護者会などでつながりを作り広げていけるので、独身限定かもしれませんが。
町中の知り合いが増えると困ったときに頼りになります。
私が消防に入って最大のメリットだと感じていて、今では地元のいろんな人と繋がりがあり、メンドクサイ消防団活動があっても楽しい生活になっています。
格安で旅行やお酒が飲める
旅行やお酒の席に否定的なブログをよく見かけますが、私は楽しくて大好きです。うちの分団はお酒が飲める人も飲めない人も旅行のために一年間みんなで頑張っています。
お酒の飲めない人に、無理やりお酒を飲ませるようなバカな消防団もいまだにあるらしいですが、ごく少数だと思います。
入団当初は、お酒の席が苦痛でした。お酒はたいして飲めないし同世代がいない中で最後まで(午前様はしょっちゅう)残って片付けをして帰っていましたし、旅行も同世代がいませんから会話が続かなくてお酒の席や旅行の最後は孤立してました。
20年前は当たり前でしたが今はそんなことなくなりました。
しかし、苦痛なことばかりではありませんでした。
20歳そこそこの若造のくだらない話をみんなで盛り上げてくれたり、足りないとこを教育してくれたりと楽しいこともありながら、ひよっこ社会人を成長させてもらいました。
時間の使い方が上手になる
仕事の時以上に時間の使い方の練習になり、今では仕事のも役立っています。
消防団に入りたてのころは独身で実家暮らしでしたので時間に余裕がありました。消防団の行事は年間予定が早々に決まっていましたから、急な地域の行事の協力要請にも自分の予定を変え参加できていました。
また、20年前は団員数も多く、当時は平団員の若造でしたから彼女優先、仕事優先でも先輩たちがフォローしてくれてました。
しかし、先輩達は退団し新入団員がいない年が増え、徐々に団員数が減少した今では、いくら仕事優先とはいえ行事に毎回参加が当たり前です。
消防は大事といっても家庭や仕事を放り投げてはいけません。
消防を優先しすぎると職場環境や家庭の崩壊につながります。
ではどうするか?火災の時は別としてこれは仕事にも言えることでが、段取りして時間をつくるしかないんです。
私も100%完璧にできてはいませんが、年間行事予定があらかじめ分かっているわけだから、仕事やそのほかにやるべきことを終わらせ時間をつくれるように段取りをすることです。
私が住む消防団は各分団長が一丸となって行事を減らしてくれてるので、負担が減ってきています。
デメリットを身をもって体験できる
メリットになるかわかりませんが「百聞は一見にしかず」で身をもってデメリットを知ることができます。
デメリット
やたらと時間を拘束される。
月2回の定例、春と秋の火災予防週間、冬季の消火栓の点検(雪かき)降雪日の消防小屋の雪かき、消防行事、操法の練習、その他を含めると年間50回~70回以上、最低1時間、最大1日は拘束されます。
家庭等に負担がかかる
子供が産まれたばかりの家庭などは特に負担が大きいと思います。実際に近所などで火災が起きて消防団が活動している姿を見れば理解もしてもられるかもしれませんが、火災が起きては困ります。
また、近年は昔より火災原因に対する安全装置や予防火災が普及し火災が減ってきているので、火災現場で消防団の活動を見ることがなくなっています。
ですから、家族の理解は得られないもとして淡々と活動していくしかありません。
無駄な行事が多すぎる
上の「やたらと時間を拘束される」と重複するところもありますが、年度初めは毎週のごとく(最近は行事自体の数は減少傾向になっていますが)無駄な行事のオンパレードです。
時代にそぐわない消火体制
火災出動時に地元消防団の水利確保や車両規制など人に頼伎る得ないこともありますが、出動、現着、人員などの無線報告は今のIT、AI技術を使えばもっと合理的に消火活動ができるのにアナログ的なやり方が変わっていない。
消防団員の減少により一人あたりの負担が多くなっているのでもっと合理的にしていかなければ、ますます負担が増えます。
操法大会がある
これについては消防団のポンプ操法大会って必要? と操法大会で優勝目指す前に考えることに散々書きましたのでそちらをお読みください。
まとめ
今回、消防団のメリット、デメリットを上げてみましたが何事もメリットがあるから、やるとかやらないではないと思います。
なぜなら消防団に入っているからといっても偉くもなんともないです。
しかし、消防団に入らない人を良く思わない人もいます。
そんな人は視野が狭い消防絶対主義者なので、何を言っても理解されることがありませんから相手にしているだけ時間の無駄です。
消防団だけが地域貢献ではないです。
地域のスポーツ少年団のコーチや学習塾、英会話教室、エコ活動など上げ始めたらきりがないくらいたくさんあります。
ボランティアで小学生対象の習い事の指導をしている人の中には、クラス別、学年別で毎日のように活動している人もいます。
消防団はもともと地域にあるものですから、なにかしら地域貢献をと思うなら一番身近で始めやすいボランティア活動ではないでしょうか。
全国の消防団の中には、戦前の軍隊バリのところもあるみたいですが、すべてがそうではないはずです。
長々と書きましたがネットの情報ばかりを鵜の見せずに自分の目で確かめて消防団に入団したならメリットを活かすのはあなたのスキル次第です。